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連載 : 「或」

2019/11/20

『ケトルプロデュースによる新ブランド「或」はなぜ作られたのか?』

船木研

新しい金型などは作らない低コスト前提の商品開発

或をプロデュースしたケトルCEO船木です。

「或」は昨年秋発売開始しました。アカオアルミと博報堂ケトルとの共同プロジェクトとして始まり、一からデザインするのではなく、溶接前のやかんのそそぎ口を一輪挿しにしたり、キッチン空調の組み込む前のパーツを茶匙にしたりと、やかんのパーツを製品化するという試みが「或」の特徴です。新しいアルミ無垢の風合いと偶然生まれたデザイン。いままであるようでなかったアルミの日常製品の可能性を今後も大きく広げ、日本が誇る永年培ったアルミ加工技術を世界へ発信する思いがあります。

ICHIRINZASHI
KAKI

製作過程の“パーツ”をそのまま新しく“製品”にする試み

そもそもの発端は、博報堂ケトルのロゴデザインがアカオアルミさんのやかんのシルエットでした。いつかアカオアルミさんと何かご一緒できたらということで今回お声がけさせていただき、工場見学をさせて頂いた時に製造過程の製品(パーツ)の造形が美しく、これを製品にしたら面白いかもというのから始まりました。そこから2年半の歳月をかけて試作品を繰り返し、発売までようやくたどり着きました。そもそも、私の職業は、商品開発などのお手伝いはありますが、今までずっと主にCMやキャンペーンなど消えモノの「情報」を作り続けています。なので流行にあまり左右されない日々の暮らしで使われいる「モノ」を一度作ってみたいと思っていたからです。

よく飲食店で使われている空調のパーツ。穴あけや加工前の無垢の造形が花瓶に。空調のフタが茶匙に。やかんの注ぎ口は一輪挿しになる。アカオアルミの職人が一点一点キレイに磨き上げアルマイト加工することで美しいプロダクトデザインに生まれかわりました。

販売して一年。いまはイタリアを中心に、世界販売に向けて販路を拡大しています。

(国内の販売ルートも開拓中なので商品を置いて下さるお店を募集しています)

MARU-KAKI
SUKUI
SAJI
BON
アカオアルミのアルミは練馬区の成増で精製されている。「或」は東京産のアルミを栃木の工場で職人の手で一つ一つ加工されている。

次回は、今年の春に「或」がミラノサローネにデビューした秘話をお話しします。
(つづく)

現在BEAMS公式オンラインショップにて発売中
https://www.beams.co.jp/item/beams_japan/tablewear/56720141194/

船木研
1972年神奈川県生まれ。1996年に博報堂入社後、ケトラー唯一のアート系出身CDならではの視点を活かして、企業ロゴ開発からCM、イベント、PR、インテグレートキャンペーンまでメディアにとらわれず手がけている。カンヌ広告祭シルバー、クリオ広告祭ゴールド、ニューヨークADCゴールド、D&ADイエローペンシル、ロンドン国際ゴールド、アジア太平洋広告祭ゴールド、スパイクスゴールド、JR交通広告賞企画賞、読売出版広告賞銀賞、日経広告賞順部門賞、日本イベント大賞グランプリ、JPPプロモーションプランニングアワード金賞受賞、ケトルの赤坂オフィスデザインでグッドデザイン賞など。
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