2024/09/20
10代20代の〈ホンネ〉を放出するポッドキャスト番組をつくりました
伊集院隆仁

そろそろ、夏が終わりますね。
めちゃくちゃ暑いけど。
なんでこんなに暑いのか。夏、長ぇ。
ケトルの伊集院です。
諸事情あり8月末より最近まで自宅リビングのエアコンが稼働しておらず、過酷な残暑をダイレクトに感じておりました(つい先日、復旧)
さて少し前の話になりますが、ハラカド「スチームスタジオ」を拠点にしたポッドキャスト番組をつくりました。
番組名は『YOUTH SPEAKERS UNCUT ―そろそろ、話しはじめます。―』
#Z世代的な枠にハマった発言ではなく、若い世代が本当に言いたいこと、本音を放出するプログラムです。

なぜ番組をつくったのか?
出演者は10代〜20代のいわゆるZ世代のみなさんで、それぞれ違う価値観、バックボーンを持っています。
たとえば主要メンバーの山邊鈴さんはアメリカの大学で政治学を学んでいる現役の学生だったり、初回に出演いただいた能條桃子さんは日本のU30世代の政治参加を促進する「NO YOUTH NO JAPAN」の代表を務めていたり、同じく初期メンで複数回出演いただいている泉田剛さんは美大出身で、この春から建築設計事務所で働く新人サラリーマンだったり。
テレビ等メディアに出演経験のある人もいますが、そうじゃない若者も参加してくれています。喋りが上手な人に、うまいことを言ってもらおう、みたいな狙いもなく、むしろ今まで積極的に発信をしてこなかった方々を含めて、そろそろ話してもらう場として、番組をつくりました。
コンセプトは、番組タイトル『YOUTH SPEAKERS UNCUT ―そろそろ、話しはじめます。―』」にまんま込められています。
毎回、《そろそろ話しはじめたい人》がメインパーソナリティ役となりトークテーマを準備し、異なる背景を持つ《ともだち》と共に、台本なし、結論なし、そして、カットなしの自由な対話を繰り広げる、という設定。ある一定の結論を目指して議論をするわけでもなく、普段の対話が結構そのまま垂れ流されるようなイメージです。

若者の対話をコンテンツにしたのは、Z世代の「言葉」が大人側の都合で消費されたり、利用されたりしがちな現状に対する、私の個人的な違和感が起点。#Z世代を利用する側も利用される側も、安易に#Z世代を便利使いしていないか――もっとも私も、その大人側であり、自らの仕事を振り返っても反省すべき点は多々あるわけですが。
まずは当事者と一緒に思いを共有しつつ動かないといかんなということで、我々が制作をしているローカルメディア「クオリティーズ」の取材で出会った現役大学生の山邊鈴さんに声掛けしてみました。
ちなみにクオリティーズで取材した山邊鈴さんのインタビュー記事はこちら。

最終的にはポッドキャスト番組をつくることになったのですが、山邊さんに声掛けした時点では「若い人たちが集まって、対話ができるような場所、コミュニティみたいなものができないか」という相談をしていました。
とはいえ、コミュニティなんてつくろうと思ってつくれるものではありません。だったら若者の対話そのものをコンテンツにすることで対話する機運を高められるようにしたらいいんじゃないか…ということで、ポッドキャスト番組をつくることになった、というのがざっくりとした経緯です。
番組自体は、台本もなく、テーマ設定も出演者たちが決めるので、私はニコニコしながら収録に立ち会うくらいしかしておりません。ただ、最初のルール設定というか、トークプログラムとしての立ち位置だけを決めております。
対立盛り上げ系でも予定調和型も違う。
マウントするでも、馴れ合いでもない、前向きな積み上げ型の議論が成立する番組。
出演する人たちのぬくもりのある対話、ちょうどいい会話のスピード。
そうした心地のいい対話の風景、互いに語ることの意義深さを見せることで、若い人たちが「そろそろ話しはじめよう」と思ってくれるような番組にしたい。
ただ、それだけ。

すでに何度か収録もして、公開もしていますが、それぞれ違う視点をもったメンバーでの心地いい対話は聴けるものですね。我ながらそう思います。
学びがあるとか、自分にとって有益だとか、そういうことではなく。時間を使う以上、なにかを得られないといけない、みたいなことでもなく。
やり取りがスムーズじゃなかったり、スパッと答えに行き着くわけでもないけど、それがリアルな対話なんだなぁと思います。そういう若者の対話に耳を傾けてみたいな、という方は是非お聴きください。
■ポッドキャスト『YOUTH SPEAKERS UNCUT ―そろそろ、話しはじめます。―』
■山邊鈴さん note記事「この割れ切った世界の片隅で」

