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連載 : LOVE立体!

2020/12/09

ケトルキッチンのロゴを鋳物で作りたい!②

永井貴浩

立体が大好きな僕がいろんな立体にチャレンジする企画です。

僕はケトルキッチンのトータルデザインを担当させてもらっているアートディレクターです。今回、ケトルキッチンのロゴの7文字を鋳物で立体にすることにしました。

まさかケトルで鋳物を作れるとは。。。

今回このプロジェクトに協力依頼したのはベンダワオの福山さん。福山さんは衣装デザイナーさんなのですが、なんでもプロデュースしてくれる人でケトルのかなり初期からケトルの社員章からグッズまで協力いただいています。

前回の記事はこちら▼
ケトルキッチンのロゴを鋳物で作りたい!①

 

色々立体の細かい形状の検証を重ねて
データを入稿して3Dプリンター作業に入りました。

できれば立ち会いたかったのですが、どうしても予定が合わず、
業者さんに工程を写真に納めていただきました。

全く知らない世界の工程なので解説します。

この網の上にデータをプリントして型製品が出来上がってきます。

樹脂入ったの水槽にベースとなる網が漬かっている状態。
水面の1層だけを硬化させていくので1層固めては1層ずつ網を下げていきます。
網の下は製品の製作可能高さ分の深さに樹脂が満たされています。

製作途中。ロゴデータ通りにプリントしながら1層ずつ硬化させて網が下がっていき浸かった状態になります。光造形機は3Dプリンターと異なり、樹脂の水槽の中に成型していきます。

プリントされたロゴが水槽の中に漬かっている状態です。

パーツごとに文字が成形されています。

ここで造形機での製作終了です。水槽から引き揚げます。
この後、製品に付いた粘ついた樹脂を落としています。

ベースである網と製品の間にあるサポートを取り外し次の工程に。

この機械は超音波洗浄機。メガネ屋さんにあるメガネクリーナーの
巨大版ですね。

アルコールで製品の周りに付いた粘ついた樹脂を落とします。
穴に入った粘ついた樹脂などを落とし易くしたり網との間に付いていたサポートを取り易くします。

手で細かい箇所を歯ブラシで擦って
製品の周りに付いていた樹脂を洗い流しています。

製品を乾燥させた後は、
さらにつぎの工程へ。

この電子レンジみたいな機械は紫外線硬化装置。

紫外線に当て続けて約60分硬化させます。

裏返して、さらに約60分硬化させます。

硬化後です。

この時点ではまだサポートの突起や曲線の積層目が目立ちます。

そこからヤスリ掛けを行なった後の状態です。

3Dプリンターでのロゴの型の完成です。

 

数日後、ベンダワオ福山さんから3Dプリンターで立体にしてみたロゴが届きました。
船木、永井「すげー! できてる! これはこれでいい感じ。」
プロトタイプ感が出ててかこよかったです。

やはり立体になると2Dでロゴをデザインした時とは違った喜びがありますね。
基本はこれが鋳物の型のベースになるので、実はこの段階が一番重要です。
船木さん福山さんと一緒に細かくチェックし、OKとなりました。

さて、いよいよ鋳物工場で実際に制作する段階にまでたどりつきました。

(つづく)

永井貴浩
1979年静岡生まれ。博報堂入社後、2019年ケトル参加。 グラフィックデザインを軸に、出来事をデザインできる企画が強み。 アートディレクターのアップデートを日々模索中。
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