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連載 : ケトル的【宅活】のススメ

2020/04/09

ケトル的【宅活】のススメ(vol.2 映像作品)

ケトルキッチン編集部

新型コロナウイルスの影響で、#おうち時間 の充実が急がれる昨今。

こんなときこそ、今まで観たかった・読みたかった・聴きたかった

あの作品たちを、思う存分消化する時間にしませんか?

ってことで、これから定期的に博報堂ケトルの「宅活の達人」たちが、

映画や本、漫画、音楽など、それぞれのオススメのコンテンツを紹介していきます。

それではみなさん、お身体にだけは気をつけて、充実した宅活を!

第二回目のテーマは「映像作品」

今回は映像愛溢れるケトラーたちが、今観るべき珠玉の映像作品を選出しました。
映画、ドラマ、ドキュメンタリーなど、外出自粛で生まれた新しい余暇時間に、オススメ映像作品で心豊かな時間をお過ごしください。

『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』 選者/原利彦

先日バズった以下のニュースは、改めて人間の業の深さを感じさせてくれました。

「コロナよりも怖いのは人間だった。」ドラッグストアの店員が語る恐怖の体験(Buzfeed)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200301-00010002-bfj-soci  

なんだかんだ追いつめられた人間ほど恐ろしいものはない、ってことで、今回はNetflixのドキュメンタリーを紹介したいと思います。

主人公は、ジョーっていうトラ好きの白人。彼は、トラ好きがインフレしすぎた結果、自分でスタッフ雇って1000頭くらいトラのいるテーマパークを自力で作っちゃう。まず、彼の見た目がパンチきいてて、TATOO全開80年代のメタルキッズを力づくでオッサンにしたような、新日本プロレスの天山選手をアメリカ人にしたようなルックスと理解してもらえればOK。従業員も低賃金&無給で働かせていて、トラにも、餌代節約のために街のスーパーからゲットしてきた賞味期限切れのスパムとか食わせちゃってる始末。

そこに、動物愛護団体を率いるキャロルっていうおばさんが絡んできて、執拗にジョーに牽制をしかけてくるんです。トラのショーをやる予定の施設に先回りして電凸して、ジョーのショーを潰したり。

最初見ていると、このジョーってヤツはとんでもねーなって思ってキャロルを応援したくなるんです。が、23話と続くと、どーやらこのキャロルっていうおばさんもヤベーぞってことが、取材クルーと視聴者もわかってくるんですよ。過去、億万長者のおじいさんと結婚していたけど、そのおじいさんが謎の失踪をしている事とか、しかもある消息筋から、彼を殺してトラに食わせたんじゃないかっていう情報が出てきたり。

で、結果的に、ジョーとキャロルのトラそっちのけの仁義なき戦いが勃発し、最終的には、ジョーは殺し屋を雇ってキャロルの殺害依頼してパクられるっていう…もはやリアル版・園子温監督の「冷たい熱帯魚」みたいな作品。完全にフィクションを超えた何かです。

もはや、この映画で出てくる生き物で、一番おとなしいのがトラやライオンなんじゃないかって思いかねない一作になっておりますので、宅活中に観て、是非自宅で震えてください!


『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』
https://www.netflix.com/jp/title/81115994

『マン・オン・ザ・ムーン』 選者/井手康喬

志村けんが亡くなった。コメディアンの死というのは、きついです。
笑い、からの、悲しみへの落差が耐えられない。
今更ドリフや全員集合を泣きながら…と、そんな中で思い出したのが、この映画でした。

実在したアメリカのコメディアン、70〜80年代に活躍したアンディ・カウフマン。
彼の生涯をジム・キャリーが演じた作品です。

この人が、まあとにかく型破り。あたらしい笑いを追求するあまり、生放送のトーク番組で大暴れしたり、
自分より弱いからという理由で素人の女性とガチのプロレスやって嫌われたり、アメリカ版「変なおじさん」みたいなキャラクターに扮するんですが、そのキャラと自分を共演させたりして世の中を混乱させたり。
いわゆるドッキリ芸なんですが、常識の裏をかきすぎて、みんな、アンディの芸が虚構か現実かわからなくなっていく。

そんなある日…彼は病魔に侵されてしまいます。

ひとりの男が、自らの笑いと向き合い、生について考えている。でもその姿はとても私的で内向きなものなので、世の中からは違うふうに見えていたりするのです。

志村けんとアンディ・カウフマン。国も芸風も全く違いますが、2人はほぼ同い年。同世代のスターでした。
監督は「カッコーの巣の上で」「アマデウス」で二度のアカデミー監督賞に輝いたミロス・フォアマン。
ちなみに、つい最近、この映画のドキュメンタリーが封切りになりました。
ジム・キャリーが、病気か?と思うくらいアンディになりきっています。こちらもぜひ。

『マン・オン・ザ・ムーン』 
https://tv.apple.com/jp/movie/unknown/umc.cmc.6b2wd2nl1qqjk5y96btoleop
『ジム&アンディ』
https://www.netflix.com/title/80209608?s=i&trkid=13752290

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』  選者/林希

東欧あたりの監督の聞いたことがない作品を推薦した方がそれっぽいと思ったのですが、そんな作品知らねえなと気づいたのと、以下の二点でこの大ネタを選びました。

《若い人は意外と知らない》

先日、欅坂46メンバーのナレを録った時に「淡々と。例えば綾波レイみたいに」とお願いしたら、みなさん「...あやなみ?」みたいなリアクションで。彼女たちがうまれる前の作品なので当たり前かもしれませんが、欅坂46=碇シンジだと勝手に感じていた身として、衝撃を受けたのです。

《人とのつながり》

様々な拒絶をしていた主人公も、最後には彼にとって楽とは言えない「他者との共存」を選びます。直接的なコミュニケーションが取りづらい今だからこそ、このテーマが深く入ってくるのではないでしょうか(エヴァのテーマとして正しいのかわかりませんが…)

他にも途中で実写が入ったり、音楽も素晴らしかったりとクリエイティブ的側面も本当にすごくて。自分が企画する仕事においても、かなりエヴァからの影響を受けています。

この旧劇と合わせて、新劇(序破Q)もぜひ!

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』
https://www.netflix.com/jp/title/60024788?source=35

『オール・オア・ナッシング ~マンチェスター・シティの進化~』 選者/雨海祐介

サッカーが観たい。リーガ・エスパニョーラ、セリエA、リーグアン、ブンデス、そしてプレミア。
世界中のリーグが、コロナの影響で止まっている。オードリーの若林さんが、「歳を取るとスポーツくらいしか興味がなくなってくる」という趣旨のことを言っていたけれど、まさにその通り(僕も歳を取りました)で、だからこそ、この現状は本当に辛い。僕自身、毎週どれだけDAZNの更新を待ち望んでいたかを、日々思い知らされています。もちろん、スポーツの力も。

そんな発狂寸前のスポーツフリークたちにオススメなのが、Amazon Prime「All or Nothing」シリーズ。特に、第6弾の「マンチェスター・シティ」篇を僕は推します。

いわゆるスポーツドキュメンタリーと異なるのは、その圧倒的な取材量。…と言うとそれまでなのですが、深堀の方向と量が段違い。カメラマンの図々しさたるや「情熱○陸」の比ではありません。試合前後のロッカールームはもちろん、スカウティングやリハビリ、選手や監督のプライベートパーティ、移籍金の金額交渉の現場まで、とにかく追いかけまくる。撮影素材の量を想像するだけで吐きそうになります。

圧巻はやはり、名将グアルディオラの人心掌握術。ワールドクラスのタレントたちを、年間を通してどうモチベートし続けるか。その言葉のひとつひとつに熱量があり、力があります。某広告会社のマネジメント層にもぜひ、この機会に見ていただいて、日本が誇る?タレント集団の真の力を引き出していただきたいものです。


『オール・オア・ナッシング ~マンチェスター・シティの進化~』
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07H9KQ3LH/ref=atv_dp_share_cu_r

「アップリンク・クラウド」 選者/花井優太

「良質なインプット」ができる作品をこの機会に促進できればという旨で、会社から本コーナーに紙幅をいただきました。カルチャー雑誌を作っていながらこんなことを申し上げるとガッカリされる方もいらっしゃるかもしれませんが、「良質なインプット」というのは大変難しい。しかしながら、そんなことでは話が進まないのも事実……。もし僕の中で考えられるものがあるとするならば、それは作品単体がどうこうというよりも、出会い方かなと考える次第です。例外もありますが、コスパなんて考えないで触れ合う不要不急のものだからそ得られる発見もあると思います。

ふらっと映画館に行って、あらすじも読まずにその場で何を観るか決めることも多い僕にとって、やはりこの巣篭もり推奨期間というのは辛くて仕方がない。いつもお世話になっているシアターでは、閑古鳥が鳴いているのが現実で、観る人がいなければ場所はあり続けることができない。ただ、家から通える三密が一切ない映画館なんて……あります。

渋谷、吉祥寺にスクリーンを構え、独自にセレクトした映画を上映しているアップリンクのオンライン映画館「アップリンク・クラウド」がそれ。アップリンクの審美眼を通った60本の映画が今なら3ヶ月間2980円で見放題。端から端までとことん観まくるのもよし、単品買いだって大歓迎! なんだこいつ、回しもんか? その通り。だって、アップリンクになくなって欲しくないもの!

「アップリンク・クラウド」
https://www.uplink.co.jp/cloud/

『リトル・ミス・サンシャイン』 選者/大西佑紀

選出テーマを「多幸感」にしようと思い、真っ先に思い浮かんだのがこの映画でした。もう14年も前の映画ですね。
各々問題や悩みを抱えた家族が、娘オリーヴのミスコン出場という夢を叶えるために、今にも壊れそうな車で旅をするお話。

自己啓発に縛られる父。
引きこもりの兄。
失恋で死にかける伯父。
冷めきった母。
ヘロイン中毒の祖父。
ぽっちゃりメガネの娘。

このヘンテコな6人家族で1000km離れた会場へ向かうことになるのですが、エンジンが止まったり、ドアが外れたりと何度も不具合を起こしながらも、その度に家族が手押しでなんとか発進させる道中の描き方は、それぞれの心情との重ね方が秀逸だなと感じました。それでいてクスッと笑える要素もあり、非常に親しみやすい映画なのもまた秀逸。

変わった悩みを抱えた個々のストーリー、普通と個性的が入り混じったキャスティング、黄色いオンボロワーゲン車という美術、ハッとさせられるセリフなど、あらゆる要素に「幸せ」を散りばめた監督の想いを読み解いてみるのも面白いかと思いますので、ぜひお風呂に入りながらどうぞ。

『リトル・ミス・サンシャイン』
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00G9SYY5Y

ケトルキッチン編集部
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