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連載 : やかん月報

2020/07/22

「New Normalを手口ニュートラルに生き抜くための5つのキーワード」 後編

太田郁子

今回の月報も、前回 に引き続き、New Normalの到来に対してケトルが提唱しているキーワードをお届けしたいと思います。

ケトルオフィスも、ビールではないアルコールでお出迎え

カスタマージャーニーの崩壊

1年ほど前にGoogleが提唱した「パルス消費」という買い物行動が、マーケッター界隈で話題になりました。認知、理解、興味、検討、購買までのカスタマージャーニーが、PCやスマホのスクリーン上で、一瞬にして(パルス的に)起こる消費行動のことです。そしてこのコロナ禍により、人々のオンラインショッピング機会はさらに増え、パルス消費もそれに伴い増加したと思われます。

また同時に、コネクテッドカーやスマートホームなど、家や街中のIoT化もさらに進んできています。今後は「パルス消費」がスマホやPC上のみならず、あらゆるインターフェーズ上で起こっていくことが予想されます。

新しい買い物行動、新しいインターフェースが浸透していく中、企業はどんな発想でカスタマージャーニーを創造していくべきか。それに対するケトルなりの1つの解をキーワードにしました。

キーワード③ ライフコネクト

企業・ブランドと生活者の接点は、かつてのメディアや店舗のみならず、360度生活のあらゆるモノを介して24時間接続できる状態になりました。つながりの太さが2次元から4次元に飛躍的に進化したイメージです。それに伴い、カスタマージャーニーという考え方自体をあらためるべきではないか、というのがこのキーワードに込めた意味です。

かつて、生活者との接点が”点”でしかなかった時には、点ごとに認知、理解、興味、検討という役割を与え、その点をジャーニーしてもらうことで購買につなげていました。ですが、消費行動がますます「パルス消費」化していく中においては、生活者の24時間のいつ、どこのコネクトポイントで、「パルス消費」を引き起こすか、ということから販促マーケティングを考えてみてもいいのではないでしょうか。

また、その視点に立つと、ビッグデータの活用方法も少し変わってくるのではないでしょうか。ターゲットとタイミングだけを機械的に精査し、味気ない商品広告が送られてきているケースもまだ少なくありません。その一瞬で「欲しい!」&ポチ(購入)を引き出すアプローチの工夫を考えてみませんか?

当たり前のモノコトの不要化

満員電車での通勤、身だしなみやマナーとしての通勤メイクやファッション、オフィスなど、人によって中身は違うかもしれませんが、自粛生活は”実はなくても困らないもの”に気づかせてくれた側面がありました。自粛生活、この際にと断捨離をした方も多いのではないでしょうか。実際、今年の4月は例年よりも粗大ゴミの量が多かったというニュースもありました。

今後仮にワクチンが開発されて、元通りの生活が送れるようになったとして、果たして人々は”実はなくても困らない”と気づいたモノコトまで元に戻すでしょうか。”実はなくても困らない”モノコトは、むしろ無いほうが快適だと感じた人も多いのではないでしょうか。

人々の価値観転換がそこかしこで起こっている今、企業にとっては市場の競争軸を転換し、リーダーポジションを獲得したり、イノベーションを起こして新しい市場を創造するチャンスです。この絶好の機会を捉えて、何をすべきか。

キーワード④ リムーバルイノベーション

0から1のイノベーションを生み出すのは途方もなく大変なことです。でも、すでに存在している事業から何かを引き算してみる、というアプローチは考えやすいのではないでしょうか。様々な業界で、”慣習”として残っていることがたくさんあります。その業界にいる人ほど、その慣習を無意識に受け入れてしまっている部分があるかもしれませんが、果たしてその”慣習”は本当に生活者にとって必要なものなのでしょうか。既存の事業を見つめ直し、なんとなくあって当たり前になっていた慣習を取り除き、価値を再構築することで、生活者にとってとても新鮮な魅力のある事業にイノベーションできる可能性があると思っています。

企業活動の意味がさらに重要に

またじわじわと目に見えて感染者数が増え、Go to キャンペーンでも様々な議論が巻き起こっていますが、言わずもがな、経済活動の再開とコロナの収束は基本的にトレードオフの関係です。そして、世界的な自粛期間中、ガンジス川がキレイになったり、エベレストの頂上が街から見えるようになったり、日本でも交通事故数が減りました。

経済活動を再開しなければ、経済や企業が打撃を受けることを理解しつつも、経済活動を優先させることに不安を感じている人もたくさんいるのではないでしょうか。そんな生活者感情を受けて、企業はどう行動すればいいか、というのが最後5つ目のキーワードです。

キーワード⑤ パーパスドリブン・トランスフォーメーション

今までも”パーパス”という言葉は企業経営の重要なこととして語られてきましたが、これからのWithコロナ時代は別次元でパーパスが求められるようになるでしょう。企業が経済活動をすることによる”負”の側面があることを、もはや世界中の人たちが知っている。それでも、その企業が経済活動を続ける”確固たる目的や意味”がなければ、誰もその企業を応援できないし、そこで働く人たちもモチベーションを持てない時代になるのだと思います。

また、なぜ「トランスフォーメーション」という言葉を使っているかと言うと、パーパスドリブン・キャンペーンや、罪滅ぼし的なCSR活動ではもはや意味を持たないと思うからです。企業の主となる経済活動自体が、世の中の何かをよくする、人々の幸せを作ることに向かっていなければ、”負”の側面があってもなお続ける理由になれないからです。

売れれば売れるほど世界がよくなる、もちろん企業も利益を得られ、顧客もその商品を通じて幸せになる。そのような形に、ビジネスをトランスフォーメーションしていくべきである、という強い思いを込めてこのキーワードを提言しています。

パーパスは、必ずしもSDGsの何かのテーマに沿っている必要はないと思います。企業の皆様が日々真剣に開発し、世の中に提供している商品やサービスには、元々どんな幸せな日常風景、素敵な世界をつくりたいか、という思いがあるはずです。その思いに忠実に、企業やブランドの価値をあらためて組み直すことが、withコロナの時代にあっても応援される企業になるための第一歩だと考えています。

New Normalだからこそ、手口ニュートラル

全2回の筆圧高めなレポートにお付き合いいただき、ありがとうございました。ケトルには、各キーワードを具体的にどう形にしていくのか、ここには書けないたくさんのスタディもありますので、チャレンジしてみたいという方は是非ケトルにお声がけください!

太田郁子
1979年愛知県生まれ。2001年博報堂入社。ストラテジー領域から、キャンペーン・クリエイティブ領域までをスルーザラインで作り上げる。あらゆる課題解決に向け、強い生活者インサイトに基づくコアアイディアづくりを大切にしている。
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