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連載 : 徒然、原カントくん

2021/12/21

徒然、原カントくん 2021.9.1~9.30

原利彦

本コーナーは、博報堂ケトル執行役員である原利彦が、本業である広告以外の、サブ活動をする際に名乗るアカウント名「原カントくん」の日々の活動記録です。

まずもって、ケトルCEOによる原の労務管理チェックの意味合いが強いと推察される本連載ですが、自分自身を省みる意味合いもこめて、徒然と綴らせていただきます。

 

9月3日(金)

朝からTBSラジオ「金曜ボイスログ」にておススメの本を紹介。
川添愛さんの『言語学バーリトゥード』

 

 

この本は言語学者の川添愛さんが東大の校内誌に書かれたエッセイをまとめた一冊なんですがアプローチがまさにバーリトゥード。
「AIは、上島竜平の“押すなよ! 絶対押すなよ! ”を理解するのか?」「ユーミンの『恋人がサンタクロース』を『恋人はサンタクロース』と記憶違いしていたわけ」など。章タイトルだけで一気読み必至。

その後、TBSのロビーでリモート打ち合わせに参加し昼は博報堂ケトルにもどって「渋谷のラジオ」に出演。

これまた僕が読んでうなった一冊。『出禁の男 テリー伊藤伝』の著者・本橋信宏さんとご一緒。

 

 

『浅草橋ヤング洋品店』『天才たけしの元気が出るテレビ』など、数々の伝説の番組、を生んだテリー伊藤の半生を、『全裸監督』の本橋さんが書いた一冊ですが、テレビ業界が一番狂っていた時代がわかる一冊。

テリー部には「無理です!」の言葉はなく、アサヤンの伝説の企画「整形シンデレラ」なんてテリーさんからADに「明日の朝までに整形できるブスつれてこい!」って達しが出て、文字通り死ぬ気で探していたらしい。ネットもない時代に。いろんな意味で今ではありえない時代の狂気が伝わる一冊です。

帰り、渋谷のねぎし、で一人牛タン定食を食す。

そんで夜は、TBSラジオ『アシタノカレッジ』で、武田砂鉄さんとトーク。

 

 

 

今となっては砂鉄さんと何を話したか覚えてないが、和のことなんて一ミリも詳しくないのによく出演受けたな、おれ! ほぼ事故みたいな放送で憔悴しきってスタジオを出たが、なんと来週も出演することになった。

そして深夜3時からはBS12『BOOKSTAND.TV』にて芸人・エレキコミックとご一緒。

 

 

 

 

今日一日、いろんな人にピンボールのボールのようにこづきまわされ、サラリーマンとは思えないくらいの勢いで喋りっぱなしで、一人缶ビール500ml缶でクールダウンしつつスライディング帰宅。

 

9月9日(木)

ELLEオンラインのPodcast『鈴木涼美のBISTRO LOVIN’』最新回、発射。

「24歳で結婚して29歳の時に相手の不倫と借金が原因で離婚、その後遊んでたけどどうしたら再び恋に落ちれる?」というリスナーからの切実なお悩みですが、ずーっと小金を持った大学生のごとく一人やもめの僕にアドバイスできることは全くありませんでした。近々、確実にクビになると思う。

 

9月10日(金)

朝、TBSラジオ『金曜ボイスログ』で珠玉の一冊『禍いの科学 正義が愚行に変わるとき』をご紹介。

 

 

「良かれと思って発明したのに、どうしてこうなった?」的な数々をご紹介。原子力やダイナマイトなどは当たり前すぎて紹介されてないのですが、僕が一番興味深く拝読したのは「化学肥料」。

20世紀初頭にドイツの科学者、ハーバーさんが発明したハーバー法は画期的な発明で、空気と水から無限に化学肥料の原料であるアンモニアを生み出す技術なんだけど、これによりヨーロッパの枯れた土地が段違いに肥えた土地に生まれ変わり、世界人口を30億人くらい押し上げた、ともいえる世紀の発明なんですが、同時に弾薬の原料であるアンモニアも無限につくれる技術であったため、この発明によりドイツは第一次世界大戦に参戦決定。
未曽有の被害をヨーロッパ中に与えた要因のひとつでもあるっていう。なんとも言えんお話でした。
要は、使い方次第で薬は毒にもなるっていう話。

早朝の生放送の緊張からか猛烈にビールが飲みたくなり、一人、誰もいないケトルオフィスで朝からビール飲んでいたら掃除のオジサンに見られてギョッとされました。

昼は渋谷のラジオで、こないだTBSラジオで紹介した一冊『言語学バーリトゥード』の著者、言語学者の川添愛さんとご一緒できたぞ!

 

 

なんともチャーミングな方で、こんな先生と大学時代を過ごしたかったな。

深夜はBS12で講談社ノンフィクション賞受賞作家、細田昌志先生とご一緒。
スポーツ界(沢村忠)と芸能界(五木ひろし)の両方で天下を獲った男、野口修を紹介しました。

 

 

しかし、野口修を紹介しようとするとどうしてもトークの半分が右翼とヤクザの話になるな。

 

9月17日(金)

TBSラジオでおススメの一冊として中島健太著『完売画家』をご紹介。

 

 

この人はかっこいい。美大に入って一番驚いたことが「絵で稼ぐ方法を教えてくれなかったこと」。その結果、独自で「絵で稼ぐ」を追求し、日本では抽象画は食えないということから具象画の世界に突入。いまや日本でもっとも手に入れにくい画家のひとりになった方。
アートで食える、を体現したまさに「アート界の矢沢永吉」ともいえる人だと思いました。

 

 

NONA REEVES西寺郷太さんスタイリスト伊賀大介さんとの真夜中のカルチャー雑談。

 

 

早くこの3人でリアルにビール飲みたいです。お二人とトークして、唐突に90年代のブリットポップを聴きたくなり、懐かしのバンド・スェードを爆音で聴きながら散歩をする。

昼はこれまた細田昌志さんと渋谷のラジオでリモート生放送。

 

 

細田さんのZoomが不調で、生放送中にも関わらず突然、細田さんが退出。20分ほどずっと僕が一人で毎度バカバカしい小話兼近況報告を一人で喋っていた時間は地獄だったな。

そして夜は武田砂鉄さんのTBSラジオ「アシタノカレッジ」に出演! これまた、ビタイチ和に関して、知識も興味もない僕がなぜか砂鉄さんに縄文土器の魅力をプレゼンするという珍事。いつの間にか話が、岡本太郎に脱線していき取り返しがつかないまま放送終了。死にたい。

 

 

砂鉄さんと、「~なんですよ」「ほう。」といった縁側に座った老夫婦のような会話をして帰宅。

夜は、現在新刊『もしも徳川家康が総理大臣だったら』が売れまくり、増刷しまくりの作家、眞邊明人さんとトーク。

歴史上の人物がAIにより復活してコロナ禍の日本を救うっていうトンデモ設定にもかかわらずグイグイ読ませるこの筆力。これ映画になるんじゃないかな、ホント。

 

9月19日(日)

あまりにも気持ちの良い土曜日だったので、不要不急のツーリングで朝から熱海へ。

 

 

 

このレトロな喫茶店に入ったらテーブルに、昔懐かしい星占い機が現役で置かれていたぞ!

 

 

9月23日(木)

ELLEオンラインのPodcast『鈴木涼美のBISRTRO LOVIN′』配信。

 

 

さりげなく鈴木涼美さんのTweetでむちゃくちゃ言われております・・・。

 

9月24日(金)

朝、早起きして新大久保の牛丼屋に朝定職を食べに入ったら、何かがあったのか知らんが警官2人が沈痛な面持ちで店員を事情聴取。その横には組関係者としか思えないぐったりしたオジサンが二人。やべーところに入ったな、と思ったけど、空気の読めない店員が爽やかにお茶を持ってきたので、音速で定食食べてTBSラジオへ。

TBSラジオの朝番組『金曜ボイスログ』に生出演。
川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』をご紹介。

白鳥さんは目の見えないアート鑑賞者としても有名で、この本は2年間に及ぶ川内さんと白鳥さんのアートの旅に寄り添うような一冊。

 

 

結局、世界に色は存在していなくて、目の見える僕らも光の波長を脳内で信号に変換し、それを色として認識しているだけ。とうことは、目の見えない白鳥さんが脳内で再現している風景も僕らがみている風景と同じなんじゃないか、いや、もしかしたらもっと豊かな風景をみているのではないか、って思わせてくれるおススメの一冊です。

昼は渋谷のラジオに出演。博報堂グループのAD-VENTUREで見事資金を獲得し、アーティストの肉声が届く音声配信サービス「artistspoken」代表の井上雄二さんとご一緒。

 

 

このサービスを実質2人でまわしている、っていうのは凄いよホント。

 

9月25日(土)

休日、水道橋博士と連れ立って、芸人・エレキコミックの単独ライブ「HAERTBEAT WALTZ」を観に行く。

ライブも最高だったんですが、博士から「ちょっと散歩して帰ろうか」と言われて、歩き出したものの、まさか池袋から僕の自宅がある新大久保まで2時間歩くことになるとは思わんかった。

 

 

帰り水道橋博士を、僕おススメの大久保の延吉料理の名店「千里香」につれていきノンアルコールで乾杯。

 

 

 

このお店は、犬肉料理を出すことでも有名な名店なんだけど、とにかく黒酢の酢豚が絶品。難点としては日本語が通じないこと。

こんな感じで9月も終了。早く行動制限解除されないかな。
(了)

原利彦
1975年香川県生まれ。1998年博報堂入社。営業職、媒体職を渡り歩き、出版社・ゲーム会社といったエンタテイメント業界を営業として担当。同時にさまざまな博報堂のコンテンツビジネスにも参画。2009年から博報堂ケトル参加。広告会社の営業をバックボーンとしたビジネス構築力と、メディアスキル、そして精神的タフさを武器に、企画から、ビジネスとしての着地までの責任を持ったコンテンツプロデュースが得意。
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