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連載 : 徒然、原カントくん

2023/11/15

徒然、原カントくん 2023.07.01~08.31

原利彦

本コーナーは、博報堂ケトル執行役員である原利彦が、本業である広告以外の、サブ活動をする際に名乗るアカウント名「原カントくん」の日々の活動記録です。

まずもって、ケトルCEOによる原の労務管理チェックの意味合いが強いと推察される本連載ですが、自分自身を省みる意味合いもこめて、徒然と綴らせていただきます。
 

5月2日(火)

ついに7月に入ったので僕にとっての夏のイニシエーション、博多天神の冷やし中華とビール小瓶を食す。

 

 

数年前、エレキコミック今立さんに教えてもらったときは400円と不安になるくらい激安だったのだが、今は店主が何か大きなことに気づいたのか600円の納得価格に。

 

7月3日(月)

下北沢の本屋B&Bで、西森路代さんの新刊『韓国ノワール その激情と成熟』を読む。

 

 

本気で生涯ベストの1作は? ときかれたら『アジョシ』と答えるくらい、韓国ノワールが大好き。
しかし、アジョシで天才子役の名をほしいままにしたキム・セロンちゃんが、先日のニュースで、いつの間にかおとなになって飲酒運転で派手につかまってドラマ降板した、というニュースを観たときにはつくづく時間の流れを痛感したなー。

 

7月4日(火)

本屋B&Bで小林邦宏さん、坂田ミギーさんとトークイベントdone。
年の半分以上を旅する二人の話を、下北沢周辺からテコでも動かない僕が何故か伺いました。
もう俺は本での脳内旅行でいいや。下駄で人前のイベントに出ちゃった。
 

 

7月5日(水)

BS12『BOOKSTAD.TV』のゲストに作家・柚木麻子さんが登場!

 

 

最初緊張していたのですが、柚木さんのフレンドリーさに甘えてしまって、もはや柚木さんの新刊トークでもなくなっちゃったな、とちと反省。
柚木さんの新刊『オールノット』は新時代のシスターフッドを描いた傑作ですよ!

 

 

7月7日(金)

七夕の日に、TBSラジオで『古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン』展を紹介してくる。

 

 

トウモロコシの神様の土偶や、太陽の神様の石像など、どれもなんかずんぐりむっくりでかわいくて、なかでも妖精みたいな生き物が顔をかしげて、お腹の上に両手でお皿を持っているチャクモールという石像がかわいい。
思わずお皿のうえに果物でもおきたくなるんですが、これ実際は、生きたままくり抜かれた人間の心臓をおいていたそうな。神様への生贄。

そして、昼は『BOOKSTABD.TV』のYouTubeが配信。
ゲストに、現在絶賛ブレイク前夜の、ぼんぼんこと金久保芽衣ちゃんがきてくれました。
 

 

金久保さんがブレイクしたきっかけになった、佐久間宣行さんのYouTube番組も御覧ください。これからもっと売れるよ、この人!

 

 

 

昼は、渋谷のラジオで、明日7月8日から渋谷ユーロスペースで公開の映画『青春墓場』の奥田庸介監督と主演の古川奈苗さん、笠原崇志さんとご一緒。

 

 

奈苗さんとは、新宿ゴールデン街で10年前からの飲み友達ですが、こんな一生もんの作品の主役になられるとはなー。
『青春墓場』まじで暴力と恋愛が入り混じった、カテゴリー不可能の傑作だと思います。

 

 

7月11日(火)

そして、渋谷の映画美学校で、小路紘史監督の『ケンとカズ』に続く新作『辰巳』の前ラッシュを試写会で鑑賞。最近、邦画づいてるな。

 

 

 

いやーこれも事件級の傑作!

前作『ケンとカズ』を上回る勢いで演者一人一人イイ顔の連続(でも街で決して出会いたくない)。小路監督を紹介してくれた水道橋博士さんと感想を言い合いたい。

主演の遠藤雄弥さんが着ていたカーキのバブアー、ちょっと買ってくる。今年の秋からヘビロテするわ。

 

 

7月12日(水)

知り合いから、「朝、テレビ神奈川つけたら原が出てたぞ!」とスクショが送られてくる。

 

 

これ、ピアニストの永田ジョージさんのメロウなライブ演奏にやられて、テレビに出ていることすら忘れた僕の背中です。

 

 

7月14日(金)

TBSラジオで、甲斐荘楠音の「幻覚 踊る女」を紹介。

 

 

怖いよ! この絵みて、小学校くらいのときにうっかりテレビ放送で観てしまった五社英雄監督の『吉原炎上』における西川峰子を思い出した。
あれにトラウマを叩き込まれた人は少なくないはず。

昼は、渋谷のラジオで明日からユーロスペースで公開される映画『THEATERS』の沖正人監督、鈴木太一監督とご一緒。

 

沖さんはご自身元役者だけあって、お話うまいわー。

今月はもう日本のインディーズ映画マンスリーだ。

 

 

7月18日(火)

『ドイツの女性はヒールを履かない』を刊行されたばかりのサンドラ・ヘフェリンさんとラジオ日経でご一緒。サンドラさんは、いつあっても好感しか残さないお方です。 

 

 

こんな暑い日はドイツの人にならってシエスタして、夜に働いた方が良いね。

 

7月21日(金)

TBSラジオ『金曜ボイスログ』で、写真家ソール・ライターを紹介してくる。臼井ミトンさんは急遽、体調不良でお休みになり、代役で土屋礼央さんとトーク。
 

 

ソール・ライターは日本でも大人気だけど、もともと1950年代〜70年代頭にかけて「ELLE」「VOGUE」といったファッション雑誌でバリバリに活躍されていたカメラマンだったのが、なぜか突然1980年代に入ると忽然と表舞台から姿を消し、その後、彼はニューヨークの自宅と近所にこもって仙人みたいな生活を送り、自分のパートナーや妹、飼い猫、そして近所の風景だけを誰にみせるためでもなく写真を取り続ける生活を続ける。

で、誰もが彼を忘れた頃の2006年になぜかドイツから初の写真集が出るのですが、それが世界的に大ヒット。80歳オーバーにして突如ブレイク。

昼は、渋谷のラジオで芸人・演出家・脚本家の友池一彦さんとご一緒。
 

 

板の上で鍛えられてきただけあって、さすが、声のハリが違う。

帰り一人で、うどんを食べて帰宅。
最近、食欲とやる気がまったく起きず、うどんしか食う気力がわかないのだ。

 

 

7月23日(日)

下北沢の本多劇場で、エレキコミック単独公演『鮎』を鑑賞。エレキコミックの原点に戻ったかのような深く、でもバカバカしいかっとんだ笑い。
 

 

 

まさかのマッハスピード豪速球ガン太さんの登場! お代以上の満足度でしかない。恐れ多くも西寺郷太さんカメラマンで記念にパシャリ。

 

7月25日(火)

月島で会食をしたあと、なんとか井上尚弥のスーパーバンタム級の2団体統一戦のゴングに間に合うべく帰宅。
ギリギリ、中目黒のスポーツバーに潜り込むことができました。
いやー会心の勝利。やはり彼はモンスターでした。ついにPFP1位、いくんじゃないか!?
(わずかこの数日後にテレンス・クロフォードが世界タイトルマッチで衝撃的なKO勝利をかまし、結局クロフォードが1位。井上尚弥は2位でした。)

 

 

7月26日(水)

暑い。ただただ、暴力的に暑い。
下北沢の街を歩いていたら、マジで蜃気楼が見えた気がする。

せめて心だけでも涼しくしようと思って、帰り道に可愛い風鈴を買って部屋においてみた。
 

 

しかし、風がまったく吹かずチリンともしないので、息を吹きかけて力ずくで鳴らしているうちにもっと汗だくになってしまった。なにやってんだ俺は。
(追記:この数日後、僕がこの風鈴に盛大につまずいて大破。わずか数日間の夏の風流でした。)

 

 

7月28日(金)

夏のクライマックスがやってきた。暑すぎる!1
いまスマホみたら、34度よ。どうなってるんだ地球は。

朝、TBSラジオで「越後屋開業350年記念特別展 三井高利と越後屋」をご紹介。
 

 

三井グループの創業者、三井高利。彼が日本橋に越後屋という呉服屋をオープンしたところから三井グループの歴史ははじまった。ちなみに、三井の越後屋が、のちの三越って知ってました?

そのあと、赤坂パークビルでオンライン会議をやったのち、昼は渋谷のラジオへ。
シンガーソングライターにして女優の奥ノ矢 佳奈さんとご一緒。
 

 

彼女の夏のサマーアンセム「COOK MY LIFE」を、バカみたいに暑い渋谷の街にオンエアしました。なんて爽やかな方なんだ。
で、この方が元子役で、映画『嫌われマツコの一生』の子供自体の松子を演じていた、ってことをきいてさらにビックリ。

 

7月29日(土)

夕方帰宅して少し眠った後に、唐突に隅田川花火大会をみにいこう! と決心し、一人バイクで東京の東へ走り出す。

浅草方面に近づくにつれて、警察官のものものしさがグラデーション風に増え、交通規制も絶好調に。

最後、どこかの橋の上で力ずくで撮影した写真がこれ。

 

 

やるせない気持ちになったので、深夜、渋谷のんべえ横丁のバー・アミュレットに飲みにいく。

 

8月1日(火)

朝10時からクライアントのリモート打ち合わせを行ない、その後は本屋B&Bの定例リーダー会。昨年よりは確実に数字も雰囲気もよくなってきている。でも、もっと良くせねば。良くなるはず。

その後、MPと社内打ち合わせをした後に、夜は、ケトルの船木CEOと日野くんと三人で飲みに行ってみた。
場所は、10年来の仲である小林淳一さんが経営する、矢来町にある内モンゴル料理店。

 

 

肝心の料理撮るの忘れたけど、美味かった!

 

8月4日(金)

どうして日記って書かなくなっちゃうんだろう、気がつくと日数が過ぎてしまっている。

BS12『BOOKSTAND.TV』で、芸人してCHOCOLATE.incで広告プランナーとしても働く大島育宙さんと一緒。

 

 

でか美ちゃんとはもともと友達らしく、ネイルも同じ人に整えてもらっているそうな。博識で才気漲る人って、こういう人だよ。
大島さんのYouTubeの解説動画は、マジで有料にしていい。

 

 

8月5日(土)

所要があり夏の鬼怒川温泉へ。といっても日帰りだけど。
ずーっと歩いてビール飲んでいた気がするな。
 

 

8月8日(火)

毎回、旬の経営者をゲストに迎えるラジオ日経のビジネス番組に、株式会社TOKU代表の徳野佑樹さんが来てくれました。
 

 

あいかわらず仲間として最高で最強、この人。
帰り、虎ノ門のトラック屋台でガパオライスを買って赤坂パークビルへ帰社。

 

毎年、8月8日はでか美ちゃんの日。
渋谷のO-EASTで「でか美祭」なる奇祭が行われるということで、ふらり覗きにいってきた。
 

 

でか美ちゃんはやっぱりみんなに愛されている! それを改めて確信して、中目黒まで徒歩で帰宅。

 

 

8月11日(金)

お盆直前の山の日。休日なのに早起きしていそいそとTBSラジオへ。
TBSラジオ『金曜ボイスログ』で、山の日なのに国立科学博物館『海展』を紹介。
 

 

今回の目玉のひとつが、シーラカンスの剥製。
シーラカンスはもともと白亜紀(つまり1億5千万年から6千万年前)くらいに絶滅したとされて化石しか残ってなかったはずなのに、1938年、南アフリカの海をしれっと泳いでいるのが発見される。
20世紀最大の生物学的発見とも言われていて、それで「生きた化石」といわれているが、今回展示されているシーラカンスは、1998年インドネシア沖で発見されたシーラカンス。

ここにも面白いエピソードがあって、このインドネシア・シーラカンス、インドネシアを新婚旅行中だったアメリカの生物学者がインドネシアの魚市場で、なんか不気味な魚をみかけて「あれ? これシーラカンスに似てねーか」と。で、そのときはまさかということで、魚を買うこともなく普通に帰ったんだけど、よくよく思い返してみたら「やっぱあれ、シーラカンスに間違いないねーわ!」ということで、改めて翌年、本格的な調査チームが向かったところ捕獲に成功したらしい。

海と同じく、展示スケールが広くて大きすぎる。


そのあと、渋谷のラジオに。

咳がとまらないぞ。でも、熱はない。なんなんだこれは。

旧共産圏の遺跡をこよなく愛す謎の美女、星野藍さんとご一緒。

 

 

「一人が大好き」ということで、一人で東ヨーロッパをまわる彼女に、なにかシンパシーを覚える。定年後の自分がうっすら重なってきて、少し涼しくなった(背筋が)。

 

 

8月12日(土)

お盆を持て余しすぎて、門前仲町の深川不動の水かけ祭りへ!

 

 

一人で徘徊しつつ、缶ビールを3杯飲んで帰宅。何がしたいんだ俺は。

 

8月13日(日)

昼はテレビ神奈川『イイコト!』の収録。
スタジオにいくとなにやらスタッフのみなさんがウームーウームと難しい顔をしている。
どうやら、9月いっぱいで打ち切りの予定が、奇跡的に12月いっぱいまで継続することが決定したそうな。しかしギリギリの状況であることは変わらない。どうなっちまうんだ、この番組は。

ライターのサンドラ・ヘフェリンさんと、パワーママプロジェクトの千田絵美さんとご一緒。

 

 

 

帰り、六本木のNUKAGA KOTAROギャラリーにいって、森本啓太さんの『A Little Closer』をみる。

夜と昼が溶け合う特別な時間のことをマジックアワーと呼ぶけど、彼の絵を観ていると、それにプラスして、現実と非現実が溶け合うようなマジックがかかっていると思った。

 

 

8月16日(水)

そんで早速、TBSラジオで森本啓太さんの展示を紹介。

彼の絵はなにか心をかきみだしてくれる。マジックアワーの夜と光が溶け合うように、現実と非現実が溶けあってくるような。
 

 

意味なく、オフィスにいって、そのあと下北沢B&Bにいき、ぼんやりして帰宅。
その後、乗代雄介さんの『それは誠』を読んで、なんともいえん余韻に浸る。

 

 

8月17日(木)

下北沢B&B、ラムネ始まったぞ! 

 

 

もはや定年後のような日々。いいのか、これで!

 

8月21日(月)

今日は朝9時〜 オンライン会議を行い、赤坂パークビルに出社。
このオフィスもあと少しでお別れだ。

 

8月22日(火)

朝、虎ノ門のラジオ日経にて、博報堂キャビンの野澤幸司さんとご一緒。彼が出した新刊『問題未満』についてトークをする。
 

 

やっぱり世界への目の付け所が変すぎる。コピーライターの性分なのか。

夜、下北沢B&Bで『僕とジャニーズ 35年目の真実』のトークイベント開催。いつもとは違う緊張感に観ている。
会場ソールドアウトでテレビ局も2社、きているが報道されるのかどうか。


 

 

8月23日(水)

夜、ラジオクラウドのPodcast『たびかるジャンクション』の収録で、竹芝のメキシカン料理店へ。
メキシコってことで、メキシコの英雄ボクサー・カネロ・アルバレスと、いま東京都国立博物館でやっている「古代メキシコ展」について小林邦宏さんとトーク。

小林さんが語られた、麻薬カルテルのボス、エル・チャポの話がとんでもなかった。

 

 

8月25日(金)

朝、TBSラジオで静嘉堂文庫美術館で開催中の『あの世の探検ー地獄の十王』について語ってくる。

 

 

みなさん知ってましたか? 人は死ぬと、誰もがまずは一回地獄に送られるってことを。

そこで10人の大王によって現世での行いが裁かられて輪廻転生の行き先が決まるそうな。ちなみに、有名な閻魔大王は5人目ってことで、僕たちみんな死んで35日目には閻魔様にあってます。

でもね、極楽の絵も展示されてたけど、極楽ってつまらないですね。なんもない。菩薩さんなんてみんな同じような顔しているし、地獄のほうがキャラだちしまくってエキサイティングだ。実際、行きたくはないけど。


その後、中目黒の部屋に戻って少しオンライン打ち合わせをしたあと、昼は渋谷のラジオへ。

ゲストはポスティングバイト芸人で話題の噛家坊さん。

 

 

芸人の月収400円で、ポスティングバイトの月収が30万円の生活を22年やっていたらメジャー出版社から本が出たそうです。俺も会社クビになったらやろうかな、とふと思った。

夜、渋谷のTRAIN TRAIN TRAINがついに終了する、ってことで終電祭へ。
思えば5年前かー。コロナ禍があったり、いろいろあったなー。
 

 

帰り、渋谷のんべえ横丁で、たまたま居合わせたお客とバスケットボール・ワールドカップの日本vsドイツ戦をみて帰宅。
負けちゃったけど男子日本代表は強くなった。ホーキンソンとかいう帰化した日本人選手が、ドイツ相手に鬼神の如くリバウンド獲りまくってた。

 

 

8月27日(日)

下北沢のボーナストラックで夏祭りが行われていたのでホテホテ歩いてみる。
謎のお化け屋敷のようなものがあったけど、入らなかった。
 

 

 

やはり、今年の夏は数年ぶりのイベントラッシュで、エネルギーがみなぎってるな。

 

 

(了)

 

原利彦
1975年香川県生まれ。1998年博報堂入社。営業職、媒体職を渡り歩き、出版社・ゲーム会社といったエンタテイメント業界を営業として担当。同時にさまざまな博報堂のコンテンツビジネスにも参画。2009年から博報堂ケトル参加。広告会社の営業をバックボーンとしたビジネス構築力と、メディアスキル、そして精神的タフさを武器に、企画から、ビジネスとしての着地までの責任を持ったコンテンツプロデュースが得意。
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