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連載 : プロデューサー道

2020/03/17

すべてのプロデュースは取材から始まる

日野昌暢

博報堂ケトルのプロデューサーである、日野昌暢の日々を綴る連載「プロデューサー道」の第4回です。今回は「取材」の話をしようと思います。

僕は博報堂の営業を14年間やっていました。ケトルに移籍してスタッフ側に立ってみると、広告会社の営業職のプロデュース力の重要さを改めて感じます。クライアントとの最前線に立って、情報を集め、関係性を作り、その仕事に求められている要点を外さずスタッフに情報シェアをしながら、相手の期待を超える提案にするために、クライアントの人柄、社内事情、ブランドが置かれている状況などに対しての感覚を持てているか。要はそれが取材できているかが重要なんです。

地域活性でもそれは同じです。でも、広告会社の人が地域の仕事で間違いを起こすのは、多くのケースでクライアントになる行政職員に対しても、民間企業の広報宣伝担当者と同じ対応をしてしまうことです。もちろんそれも必要なのですが、そこで終わってはいけない。なぜなら、街を作っているのは行政だけではなく、むしろ街のために尽力している民間の方々こそが重要だからです。地域活性は、民間の方々の経済を回すことことが目的です。行政はそれと並走しながらサポートする。

どんな街にも、自分の街を盛り上げるために頑張っている人たちがいます。街のために!じゃなくても、その地域が好きで、その場所に愛着を持って商売をしている人たちがいます。その人たちが、何を想い、何に困っているのか。元気なのは誰で、どうやって街の雰囲気を引っ張っているのか。こんないいものが使われずにいる!というのを発見できるのか。それを自分の肌で感じるために、街を歩き、街の人と話します。街にダイブするんですね。その取材で得た感覚、浮かぶ顔、商売の構造などを踏まえてのプロデュースが大事だと僕は思います。

何かのきっかけで出会った人が「今度うちの街に来てください」とか「今度僕の店に来てください」と言ってくれることありますよね。機会があれば、僕はできるだけその街やその店を覗きに行きます。すると「本当に来ましたね!」と驚かれます。今度行きます!と言った人でも本当に来ることはほとんどないんだそうです。行政から多めの予算をもらって、謎のおもしろ動画作っていなくなったりする広告会社の人なんて、まちづくり界隈の中では嫌われ者ですので、基本はマイナススタートです。だからこそ、街の人をちゃんと感じながらプロデュースしたい。まずは信じてもらわないといけない。

地域活性の第一人者である木下斉さんとトークイベントをやらせて頂いた時に「街のキーマンとはどうやって繋がるんですか?」と会場から質問が出ました。「街のいけている人たちが溜まっている飲み屋に行くんです。それで自分の素性を明かすことなく、店の人やお客さんとどれだけ盛り上げられるか。それで「にいちゃんおもろいな!で、君は何をやっている人なんだい?」と聞かれた時に「それだったら一緒になんかやろうや!」となるのが一番いい」というのが答えだったんですね。これもまた取材だと僕は思います。

全てのプロデュースは取材から始まる。そして、できればそれをWebで検索できるコンテンツに昇華して行くことがとっても大事です。この話も、またどこかでしますね。

日野昌暢
1975年福岡県生まれ。2000年博報堂入社。営業職として14年間、飲料、食品、トイレタリー、通信など、様々な得意先を歴任後、2014年よりケトル加入。「預かったご予算を着実な効果にしてお戻しする」という強い想いとともに、商品開発、店頭プロモーションから、PR、マスメディアにわたる幅広い経験を活かした統合プロデュースを手がける。支社勤務経験もあるため、ローカルプロモーションを得意とする通称”ローカルおじさん”。受賞歴に、ACC TOKYO CREATIVE AWARD グランプリ、Spikes Asia ゴールド、カンヌライオンズ ブロンズ、ADFEST ゴールドなど。
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