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連載 : ”ローカルおじさん”の地域活性のホント 十番勝負

2020/11/28

ローカルおじさん”の地域活性のホント 十番勝負 vol.2 井上岳一×馬場未織×日野昌暢③ 「列島改造から列島回復へ―新しい社会の物語」

日野昌暢

“ローカルおじさん”の地域活性のホント十番勝負 vol.2
井上岳一×馬場未織×日野昌暢 の中編はこちら。

“ローカルおじさん”の地域活性のホント 十番勝負 vol.2 井上岳一×馬場未織×日野昌暢②

ここからは、アフタートークとして、ローカルジャーナリスト田中輝美さん、参加を申し出てくださったイベント参加者の早川さん、小田さんとともにお送りします。

(上の段左から井上岳一さん、早川さん、日野昌暢。下の段左から馬場未織さん、田中輝美さん、小田さん。以下敬称略)

アフタートーク

日野:すみません、田中さん引きずりこみました。

田中:はじめまして! 共感の嵐で聞かせていただきました。ありがとうございます。

井上:今どちらですか? これは(田中さんの背景を指して)。

田中:私、今、島根県に暮らしてまして、その散歩みちです。

日野:まあ言いたいことがいっぱいあるんじゃないかなと。

田中:まあ話したいことがいっぱいあったので、すごく嬉しいです。ありがとうございます。

井上:って私はもう飲んじゃってますけど。

(乾杯)

日野:早川さん手を挙げていただいてありがとうございます。今日はどちらからですか。

早川:今藤沢におります。

井上:僕藤沢が実家です。辻堂が実家です。

早川:えぇー、江ノ島の麓の片瀬におります。

井上:湘南高校だったので、そこら辺は友達がいっぱいいます。

早川:あ、そうですか。鎌倉育ちなのでまさにそのあたりですね 。

日野:小田さん、ありがとうございます。

小田:あ、ありがとうございます。イベントを見ていて挑戦したいなと思いまして。

日野:ありがとうございます。手、挙げてもらえるものなんですね。井上さんの提案で、残り30分でやってみたらどうかという話で。初めてだったんですけど。

井上:顔出しOKな方はどうぞ手あげてください。

日野:輝美さんについてちょっと僕からご紹介をしますと、今、島根にいらっしゃるっていうことでしたけれども、ローカルジャーナリストという肩書きで。元々は山陰中央新報という、新聞社で記者をやられた方です。実は記者としてもいろんな賞を取られていたりだとか、その後、本も書かれていて。2つの側面がありますね。「関係人口」という、最近非常に地域活性のキーワードになっている、住むわけではないけれどもその地域に関係をしていていい作用を起こす人みたいな。その辺をちゃんと輝美さんに聞きたいと思います。というのと、あと、鉄道オタク。鉄道の本とかいろいろ出されていて。これ全然違うようで、根っこは同じだと思います。ローカルジャーナリストの田中輝美さんです。

田中:はい、ありがとうございます。地方の可能性とか面白さをすごく感じて生きているので、本当に今日の井上さんのお話はもう共感だらけでした。

井上:ありがとうございます。地方のどこに可能性を感じていますか?

田中:やっぱり、暮らしと仕事両方つくれるっていうところ。私ローカルジャーナリストというのを自分でつくったんですね。独立するときにジャーナリストとして独立するって言ったら、みんなから「あら東京に出るんだ、頑張ってね」と言われて。

井上:へぇー。

田中:「え、いやいや、私島根に暮らしながら、島根とか地方の面白さを書きたいんだ」と言ってもみんな分かってくれなくて。でも、自分で生き方をデザインして、暮らしと仕事と近いところで一緒になって、生きる。そんな暮らしができているのは本当にいいですね。豊かだなと思って生きてます。

井上:うん、コロナが良かったとは言わないけれども、通勤がなくなったことで、ずっと家族といるじゃないですか。毎日の暮らしに対してまなざしをちゃんともちながら仕事をするって、とても大事なことだなって。

日野:いやぁ、これほんとそうで。僕は広告会社なので永遠と家に帰ってこない、サラリーマン生活を20年ぐらい送ってたわけなんですけど。今度は家にいるもんなんで、親父はなんか飲み歩いているだけじゃなくて、ちゃんと働いてるっぽいということが家族に可視化されて。

井上:これがちゃんと働いてるというふうに見えるのかは、とても疑問で。

日野:まぁ今日の話からいくとそうですね。

井上:だってさ、それこそ、ヘッドホンしてなんかボソボソ喋ってるだけみたいな。例えば植木屋さんとか農家とかに比べると、やっぱり仕事が見えないなという感じがあって。僕ちょっと息子に言われてショックだったのが「父ちゃんは、なんかコンピューターに向かって仕事の人と話している時はめちゃくちゃ明るいのに、家では暗いじゃないか」と。

日野:それめちゃ面白いですね。

井上:あれ、俺すごい衝撃で。外行きの自分、よそ行きの自分と、なんか内向きの自分みたいな。多分あるんだよね。

日野:それも家でやってるから。そういうふうに子供から指摘を受けて。

井上:そうそうそう。だから、相手も僕に対してまなざしをもてる。まなざしがちゃんと行き交うみたいなことは在宅勤務してすごくいいなと思ったことですね。

田中:その話で今日、1番一緒に議論したいと思ったのが、「認識を変える新しい物語が必要」ってところで。私も、今度日野さんと一緒にトークするんですけど。中国山地、過疎の発祥地の中国山地から、『過疎は終わった』という雑誌を今作ってるんです。

馬場:すばらしー。

田中:で、そこはやっぱりこう認識の問題だと思って。過疎がダメだという認識を終わらせるっていう意味を込めてやっていて、すごく面白いと言ってもらっています。『みんなでつくる中国山地』というタイトルの本なんです。100年間、毎年出すぞ! みたいな意気込みだけでみんなで作って。今度ちょうど創刊するんです。怖いですね。昨年創刊準備号を出して。

やりたかったのはこういうことなんだよねって。過疎自体とか人口減少自体は変えられないし、現象としてあるわけで。でもそれがダメだという認識を変えていくことができるし。実際私もここで生きていて面白い、最高だと思っているのに、それを勝手にダメだと思ってるみんなの認識を変えて、どうやって新しい物語を創っていけばいいのかということにすごい興味があるし、やっていきたいことなので、今日参加してくださった方とかも含めてぜひ考えたいなと思います。

馬場:「過疎は終わった」ってすごくいいなと思いました。なんかイケてなさも含めて。なんでいいんだろうと思った時に、やっぱり人数ってあるなと思って。例えば自分が粗相をしても、少ない人数の中でどうしても解決しなきゃいけないから、次を進めるためにその粗相もみんなで引き受けていくという安心感があるときに、人は力が発揮できるんです。そういう意味では過疎というか、そういう規模感のところって非常に生きる力の発揮しやすいところなんじゃないかなと思います。

井上:うんそうだよね。うちの息子は学校で問題ばっか起こすわけだけど、地の人たちは「いやー、子供はそんなもんだから」って言う。でもやっぱり都市から移住してきた人たちは、「同じクラスにしないでください」みたいな反応で。都市的なメンタリティーで生きている人と、「いろんな人間がいるからいちいち選り好みしてないで、とにかく一緒に生きていかないといけないんだ」って腹据わってる人たちは全然メンタリティーが違う。

田中:そこはやっぱり、選べないからこそ包摂していく知恵みたいなのは正直あると思いますね。

井上:僕たちはずっと選んできたんですよ。会社も気に入らなければ変えればいいし、住まいが気に入らなければ変わればいい。でもやっぱり地に生きている人たちって、選べないんですよね。だからこそ気にかけてくるというか。なんか気に入らない奴、分かり合えない人ともうまくやっていくっていう、すごい世事に長けた人が多いと思うんだよね。

田中・馬場:そう思いますね。

コロナ禍で感じた地域でのつながり方

日野:参加してくださった、早川さんはご質問ありますか?

早川:あ、ありがとうございます。馬場さんは、最初に出された本を読ませていただいて、大変感銘を受けまして、南房総市岩井に畑付きの家を借りて、2拠点居住を実際に楽しみました。井上さんの本は馬場さんのご紹介で読ませていただいて、大いに感化されまして、里山で暮らすためのノウハウをもっている人が生きているうちに移れという提案を頂いて、腰が軽いもんですから、北海道の喜茂別に6万平米の土地を買いまして。

井上:すごい!

早川:今、動こうと思った矢先にコロナで動けなくなっちゃったところなんですが…。そういう意味では、お二人には大いに感化されて動いちゃったもんですから、これからの質問にはぜひ責任をもってお答えいただきたいと思っています(笑)。
まずですね、馬場さんに対してなんですけれども、多拠点居住とか、関係人口とかということを実践されて、オピニオンリーダー的な位置づけをこの社会の中でもっておられると思うんです。その中で、今回コロナで他県ナンバーの人が排斥されるようなことがあって、馬場さんの車でさえ南房総市でちょっとヤバくて、スーパーにも買い物行けなかったみたいなことがSNSに書いてあったじゃないですか。そういうことがあった中で、コロナを経て改めて関係人口論について何を考えてらっしゃいますか?

馬場:確かにいろいろあったんですが、とはいってもそれはSNS上なんです。私は、自分の家を2カ所車で移動するという環境下で誰にもうつさないという判断をしたので南房総に行き続けていたんですが、それに対していろいろ反論を受けたりブロックされたりしたんですね。でも、実際に対面して会っている人たちにそういうこと言われたかっていうと、1度たりともないんですね。むしろ気遣いをされたりとか、なにかコミカルにこの窮地をみんなで共謀者的に乗り越えていくみたいな温度感だったんですね。そのときにやっぱり、肌身が触れている人との絆の強さっていうか、真実味の分かち合いというのは何にもかえがたいなと思いました。それはネットでどんなにつながってようと、どんなに深く話してようと、自分がコロナになるかもってなった時に、全然その境界線の引き方が違うんですね。そういう意味で人間は体から絶対離れられないなと思って。その部分で2拠点居住というのは改めて面白いなというふうに捉え返しているところです。

井上:やっぱりそこまでの関係を長い年月をかけてつくってきたからだよね。

馬場:まあ、そうですね。関係だけは一足飛びにはつくれないなと思いますね。田中さんとかはどう思われますかね。

田中:本当に、地域の人との関係によって救われるというところはあります。私も何を地域で大事にしてるかというと、自分がスーパーな存在として優秀な能力を発揮することよりも、信頼できる存在であるってことはすごく気をつけてて。その場の貸し借りだけじゃない、長い目で見てあの時助けてもらったから今度は返そうみたいな、恩送りみたいなものがあります。

井上:恩送りっていいよね。何かしてくれた人にそのまま返すと、等価交換になっちゃうじゃないですか。地域はそうじゃなくて、俺に返さなくていいから、誰か他にやってやれという世界ですよね。でも都会の人間はどうしても等価交換したがるので、何かしてもらうと、とにかく同じことを返さなきゃいけないと思うんですよね。でもそうすると、返した瞬間恩送りの輪がなくなって、関係が切れちゃうんですよね。

馬場:分かる分かる。

田中:今までは信頼関係とかは地域の中だけでやっていくのが基本だったと思うんです。だけどそれに加えて二地域居住の方とか、地域に住んでない人とも信頼関係を築いて一緒にやっていこうという関係人口の考えの中で、新しいコミュニティだったり、新しい意味での地元が生まれつつあるのかなぁと思います。

今、地域事業に求められているもの

日野:小田さんも多分質問がおありで、こられたんですよね。

小田:私は中山間地域の仕事をしていまして、4月からは空き家の業務に変わりました。去年井上さんの著作を読ませて頂いて、すごい日本のポテンシャルとかが事細かく丁寧に描かれていて……。今、空き家で実際の業務としてやる中で質問なんですが、実際に事業を自分がやろうとした時に、今のコロナの時代で、どういうものが求められているかお聞かせいただけるとありがたいです。

井上:間違いなく、みんな困ってるのが住む家がないことなんですよ。移住したいけど住む家がないということなんです。ここだったら借りられる家がある、住む家があるといえるところは、間違いなく移住者を呼び込みやすいというのはあります。豊田市の例では、インフラを整備するとか、企業を誘致するとかより、空き家バンクをつくって、とにかくここだったら住めるよと言うのが1番移住者の呼び込みに役立ったんです。

小田:住むところが大切なのはもちろんすごく良く分かるんですけど、やっぱりどうしても仕事があったりとか、その辺も何か考えていかないと、人ってなかなか呼び込めないかなとすごく思ってたんですけど……。

井上:一定の職種の人だけかもしれないけれども、あんまり場所にとらわれずに生きていける人というのが、今仕事の形態としてあるし、そういう人たちが今回コロナで気づいたことは、「どこだって住めるじゃん」ということなんだろうなと思います。ネットさえあればどこだって住めるし、仕事できるじゃんって。やっぱりネットができて、どこにいても仕事ができるようになったことで、人の数が多すぎないところで、生活環境は安全に保ちながら仕事をしたいという人たちが一定数いるはずなんです。 そういう意味でいうと、雇用を考える前に住む場所をきちんと整えてあげることの方が、人が来る可能性がこれからは高くなると思います。

馬場:やー、ほんとそうだなと思いました。なんか今まで、過疎であることは負い目だったのが、「ほーらこんなに人いないぞ」と誇らしくて。

井上:コロナの不安ってないよね。

馬場:本当ないですよね。大体、人と会わないことがデフォルトなので。人の密度が高くないと、その場所は活性していないというのも幻想かなと思っていて。わーっとたくさんいるからそれが大成功とか、そういうんじゃないっていう価値観がようやく定着したような気がします。

井上:おっしゃる通りですね。生態学には密度効果という言葉があって、生物はある一定の密度以上になると成長が鈍って、子供を産まなくなって、致死率が高まるんです。ある一定以上の密度が高まるとダメなんですよ。

日野:井上さんもともと生態学が専攻なんですよね。そういう自然の摂理みたいなものが脳にインストールされている井上さんが社会の再構築を考えたときに、こういう本になるというのが僕はすごいおもしろいなーと思って。田中輝美さんは、地方移住でリモートワークすることに関してどう思いますか。

田中:そうですね、やっぱりお二人もおっしゃっていたように、地域で住める空き家がどんどんなくなってきていますよね。地域居住したい方がどんどん入ってこられて、使える空き家はもうほぼ出尽くしてて、空き家がなくて待機してるというのは結構いろんなところで聞きます。働き方改革が進んできてるし、コロナになったことで、住めるとこさえあれば移りたいという人が私の周りにもいます。地方の人って、やっぱ田舎は不便かけて悪いんじゃないかと思いがちなんですけど、そんなことなくて田舎の方から売れていくみたいなことが多分あると思います。

違う世代が、違う目線でできること

井上:僕、本を出してから、全国でいろんな取り組みをしている若い子たちと毎週のように勉強会をやってるんですけど、こういう子たちとか、まあ、おじさんおばさんでもいいんだけど、いろんな生き方があるなーときちんと見せていくことはとても大事だなと思います。こないだ20代で山形でまちづくりをしてる子に、「ぶっちゃけ30代とか40代とかの上の世代とかは、なんかごちゃごちゃ言ってるんだけど何もしてないですよね。僕らは生まれた時から経済成長してないし、将来に対する希望はないけど、自分たちが何かやって見せてやろうというふうに思ってます」と言われたんですね。それを聞いて、ダメな世代がちょっと続いて、それで逆にまた違う世代が出てきてることにすごく希望を感じました。いい時代があって、ダメな時代になるとまたいい人間が出てくるというサイクルを繰り返すんだろうなあ。

日野:井上さんの本に出てくる「ばばさま」という地域の女性の話があって、ローカルの男社会では男が全部を牛耳っているんだけれども、地域が危機に陥って、男たちが急に目の前に現れたクライシスに機能不全になってフリーズしたときに、もともと男がつくってた社会とかやり方に対してずっと我慢してたその女性がバババッと出てきて、仕切るという話が出てくるんです。僕その話めちゃくちゃおもしろいなーと思っていて。膠着から逃れられない当該世代と、さっき言ってた若い世代みたいな外から見ている人たちが、違いに気づいて、さっと変えることができるみたいなのは、なんか地域もそういうとこあるじゃないですか。ずっと地域に過ごしてたら分からないけど外の人から見ればこうしたらいいんだよというのがあると思うんです。

暮らしを考え、見つめなおす

井上:やっぱり暮らしをもう1回ちゃんとやり直すことはとても大事なことだなと思ってます。そこからいろんなことを発想していくことによって次の時代も、デジタルとかいろんなものを取り入れた中で、人としてちゃんと暮らしていくってどういうことなんだろうというところから考え始めるべきなのかなと。そこにすごいヒントがあるんじゃないかなという気がしてるんです。暮らしは自分ひとりで成り立つものじゃなくていろんな縁とかいろんな他者とかご先祖様とかとの関係の中で成り立ってるんだということを見つめる中から、新しいものが生まれてくるんじゃないかなという感じがします。

日野:一言ずつ最後にいただきましょうか。

馬場:ありがとうございました。いやーもう、今日は光栄でした。本当にずっと読んでいた本だったので、もっともっと話せるんですけれども。今日は井上さんの言葉で伺う事ができて贅沢な時間をいただきました。

井上:ありがとうございます。僕はいつも書きすぎちゃうんですけど、この本に関しては、「これが答えだ!」みたいに出すんじゃなくて、これをきっかけに皆さんと話し合いたいなと思って書いた本なので、こういう場を与えていただいて、話ができるのがすごいありがたいことだと思っています。本を出した後に気づいたこととか感じたことがあって、例えば、コロナでリモートが当たり前になってから、日本全国の若者達とリモートで対話してるんですけど、毎週対話を続けていると、この3ヶ月くらいでみんなすごい進化してるんですね。なので、こういうことを続けていくと、なんかすげー進化した人間が各地にいっぱい出てきて、その人たちが新しいクニをどんどん地域でつくっていくんだろうなという感じがしてるんです。だから、今、コロナをきっかけに始まったこういう対話の活動をどういうふうに持続可能にして広めていくかを一生懸命考えてます。

日野:僕も、学校で学んだ歴史と違って、今の僕たちが生きてる世界に、過去の歴史がどうつながっているかをすごく教えてくれる本で、なんかもう45歳にして「これを教科書にして学びたかったな」と思うぐらい、今の生活に全部紐付いたことが書かれていました。それと、やっぱ僕らはコミュニケーション領域のプロなので、こういう発想とか、ストーリーがある中で、それをどう伝えていくかとか、どう社会実装していくのかということに対して、自分は1つの礎にしたいなと思っています。
今日は手を挙げたり、呼び込んで入ってきてもらった田中輝美さん、早川さん、小田さん、皆さんもありがとうございました!

あとがき

望んで出てきた東京という大都会。なのに、地元の四国に残った同級生と会うとどこか劣等感がある。それは自分の中で、引き受けることから、逃げたと思っていたからでした。でも、東京にいても引き受けることができないわけじゃないし、都市に一度住んでいたからこそできることもある。そう考えられたとき、劣等感は少し薄くなったように感じます。それぞれの立場の人が、それぞれの立場でしかできないことを考え、引き受けることができたとき、暮らしやすい社会に変わり始めるのかもしれないと思いました。

(法政大学藤代研究室 三木)

 

日野昌暢
1975年福岡県福岡市生まれ。2000年 九州芸術工科大学 芸術工学府 生活環境専攻修了。同年4月に博報堂入社。14年間の営業職を経て2014年よりケトルに加入。

「預かったご予算を着実な効果にしてお戻しする」という強い想いとともに、何が社会を良くするのか?を考えるデザイン発想で、事業企画や商品開発から、PR、プロモーション、マスメディアでの広告などまで、幅広い経験を活かした統合プロデュースを手がける。

また「本質的な地域活性」をマイテーマに、“外から目線”で地域資産を再編集し、地域のプレイヤーの“関わりしろ”を作りながら、事業、プロジェクト、プロダクトを共創し、開発して、情報発信を行っていくことを得意とする通称”ローカルおじさん”。

2020年には九州を取材テリトリーにしたローカル発Webメディア Qualities(クオリティーズ)を企画プロデュースし、創刊編集長。観光庁や文化庁の採択事業者へのコーチングなども多数行っている。

主な受賞歴に、2度のACC TOKYO CREATIVE AWARD グランプリ(2018,2022)、グッドデザイン賞BEST100(2022)、Spikes Asia ゴールド(2019)、カンヌライオンズ ブロンズ(2013,2019)、ADFEST ゴールド(2019)など。
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