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連載 : ケトル的【宅活】のススメ

2020/04/29

ケトル的【宅活】のススメ (番外編) 

木村健太郎

オンラインライブセッションをやってみた!

実は、リモートワークになってから、毎日ピアノを弾いています。それまでは、年に数回しか触れなかったのに。この歳になって初めて「歌の力」という意味がわかってしまい、仕事の合間に片っ端から弾き語りをしています(20代の頃、ちょっとだけお店で弾いてたことがあるのです)。

これが巣ごもり生活のストレスの癒しになるのです。歌手の平均寿命が長い理由がわかりました。

そんな話をしてたら、僕がケトルともうひとつ所属しているグローバル統合ソリューション局(GIS局)のキックオフZOOMパーティで、オンラインセッションをやってみようということになりました。ZOOMにある「ブレイクアウトルーム」という機能を使って、時間を区切って3つの部屋に分散し、そのうちのひとつをライブ部屋にすることにしました(大人数でZOOM宴会をするときにはこれはむちゃくちゃ便利です!)。

Partyの川村真司くん(Whatever)2009年にリリースした歴史的名作「日々の音色」をイメージしながら、僕がピアノを伴奏し、ゴスペルで鍛えた歌姫、GIS局のグローバルプロデューサー宮田真帆さんが歌を歌うことにしました。

曲は、aikoの「カブトムシ」。さっそくZOOMで合わせてみました。

ところがです。

世の中には、やってみなくちゃわからないことがたくさんあるのです。実際に歌い始めると、彼女のボーカルが僕のピアノより一拍遅れるのです。演歌歌手でもあるまいし、なんでこんなにタメるんだよ!!

と心の中で思いながら、彼女の歌に合わせて僕のピアノのテンポを遅らせると、それに合わせて彼女の歌もさらにディレイ…。お互いにタメあって、曲がどんどんスローになっていって、ついに曲が止まってしまいました!

おいおい。

実はオンライン会議サービスには相手に声が届くまでにかなりの通信のタイムラグがあるのでした。普段のオンライン会議ではあまり気づきませんよね。でも、ニュース番組での海外の特派員との会話には結構タイムラグがありますよね。この通信の遅れをレイテンシーといいます。

これじゃ合わない。ハモるなんて絶対無理だし。さらに、これを第3者が聴いたら、さらにレイテンシーが加わって歌と演奏がバラバラになる。ネットやテレビでよく見るオンラインライブセッションはどうやっているのでしょう? 音声通信でない別の方法で同期しているのか、それとも実際は後で編集してつないでいるのか(やり方を知ってる方、教えてください)。

で、僕らが今の環境下で試行錯誤の末に見つけた方法は...ZOOMとは別にスマホをつないで、僕のピアノを彼女のスマホからつないだスピーカーでライブで流し、それにあわせて歌う。つまり、僕は歌を無視してピアノを弾くのですが、彼女は伴奏に合わせてZOOMの前で歌える。このやりかたで、テンポの問題は解決しました。

実はもうひとつ、ピアノの音質がすこぶる悪くてブツブツ途切れたように聞こえるという問題があったのですが、まあそこは目をつぶってもらって、とりあえずキックオフパーティはもりあがりました(左下が宮田さん)。

通信が4Gから5Gになるとレイテンシーがなくなるから、医療やエンタメに革命が起こる。そう言われていますが、実際の感覚はイマイチ実感できませんでした。

今回実際にやってみてその意味がよくわかりました。5Gが初めて楽しみになった、そんなZOOMライブ初体験でした。

 

日々の音色
https://www.youtube.com/watch?v=WfBlUQguvyw

木村健太郎
1992年に博報堂入社後、ストラテジーからクリエイティブ、デジタル、PRまで職種領域を越境したスタイルを確立し、2006年嶋と共同CEOとして博報堂ケトルを設立。マス広告を基軸としたインテグレートキャンペーンから、デジタルやアウトドアを基軸としたイノベーティブなキャンペーンまで幅広い得意技を持つ。これまで10のグランプリを含む150を超える国内外の広告賞を受賞し、カンヌライオンズチタニウム部門審査員、アドフェスト審査員長、スパイクスアジア審査員長など25回以上の国際広告賞の審査員経験を持つ。海外での講演も多く、2013年から5回にわたりカンヌライオンズ公式スピーカー。ADWEEKの世界のクリエイティブ100に選ばれる。2017年からケトルに加え、博報堂の海外ビジネスのスタッフ部門を統括する役職を兼任。グローバル統合ソリューション局局長と博報堂インターナショナルのチーフクリエイティブオフィサーとして年間100日間程度海外を飛び回る生活をしてきた。著書に『ブレイクスルーひらめきはロジックから生まれる』(宣伝会議)がある。
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